寿司は無限

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魔法戦争全話レビュー 第十一話『ペンドラゴンの決戦』

第十一話『ペンドラゴンの決戦』

 脚本:村上桃子 演出:間島祟寛 絵コンテ:田所 修 作画監督:谷口宏美

 

 開幕うりうり武BB。武の情けない様子に陽子は、竹刀でうりうりする。魔法戦争を代表するキーアイテム、竹刀は出てくるだけで面白いからずるい。

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 物語の前半は、ゴーストトレイラー本部から脱出を試みるくるみが中心になる。変身を解いてからの月光の態度がキモイ。

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(戦律怪奇月光キモすぎ!)

月光「悪いけど今のその姿じゃキスもしたくないなぁ。そうそうこれが僕の好きなくるみだぁ」

月光はくるみを好きなのではなく、単に武のものを奪いたいだけという本質を見透かされて怒り出す。そして、月光が怒りに任せて部屋を破壊して、そこから逃れたくるみ。

月光「鬼ごっこ?子供のころよくやったね♡」

 逃げるくるみを見て、楽しむかのような月光。こうした月光のキモさが、第十一話のキモだ。くるみは幸運にも狼神に出会うことができた。狼神と蛍の協力を得て、本部脱出を目指す。元々狼神はフラグが立っていたが、蛍まで協力してくれるのは、月光が嫌いだからだ。蛍としては、古参の自分を差し置いてワシズ様の側近面をしている月光が気に入らないのだろう。

月光「狼神さん、こんなところにいたんですか?吉平さんが探していましたよ」

狼神「へえ、吉平さんが?なんだろうな」

 みんながワシズ様のことを下の名前で読んでいるのが面白い。直属の部下にはフランクな面が伺える。ちなみにワシズ様自身は狼神のことをタカと呼ぶ。はがないかな

月光「おにごっこの次はかくれんぼかぁい?」

 月光にスカートの端を見られたくるみは絶対絶命。そこで蛍はくるみとキスをした(桜Trick)。くるみの新能力の発動条件は対象者とキスをすること。不便な能力だが、蛍は女の子なのでなんとかなった。こういう趣味はないという蛍もまんざらではなさそうだ。キスした後、楽しげに唇をなめる蛍。

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「Won(*3*)Chu KissMe!」

月光「みぃつけた!」

 気持ち悪いノリで柱を覗きこむとそこにいたのは蛍。一気にテンションが下がる月光。魔法戦争後半戦は月光の気持ち悪いノリを楽しむのがおすすめだ。狼神がワシズ様に捕まり、一人になったくるみは、なんとトレイラーのボス、龍泉寺和馬と出会ってしまう。彼に導かれるままに、鏡の奥の最深部へ連れて行かれるくるみの運命やいかに。この深部には、なんと桃花(声だけ)がいた。桃花は不在でウィザードブレスの混乱を招いていたが、トレイラーと通じていたのだろうか。もちろん詳細は不明。

 一方武はついに詠唱を教わる。いままで何をやっていたのだ。とにかく武の能力は実践レベルまで向上した。ついに殴りこみだ。六ちゃん、伊田も加わり、武たちは三人だけのくるい奪還作戦を開始する。戦争の最中、たった三人だけでささやかな幸せを守るために戦う少年少女たちの姿に涙せずにはいられない。これはもはや、たけし軍団の結成といえよう。

 トレイラー本部に行くと、偶然狼神と蛍に出会った。トレイラー本部にはお前らしかいないのかと思うくらいだ。ワシズ様とかに出会っちゃったらどうするつもりだったんだ。くるみを助けようという気持ちはお互い同じだが、狼神は武と戦闘がしたい。武の新能力のお披露目のための噛ませ、ご苦労様といったところだ。狼神は真の能力、魔法の盾を開帳するが、武のシグナルドリームの前には無力だった。蛍も伊田と戦う。伊田を圧倒するかに見えた蛍だったが、実は伊田は手加減していただけだという。彼もいつの間にか強くなっていたのだ。蛍は焔の弾丸に撃たれ敗北。月光に取って代わられるのも納得という結果になった。

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 アニメだけは蛍についてあまりわからないと思うので解説しよう。蛍の固有能力は幻術魔法サイレント・スクリーン。注射器(昏睡昇天のインジェクション)に記憶を封入して改竄・操作するという能力を持ち、人間の精神を弄ぶことで愉悦を得る。中学時代苛烈なイジメにあい精神が歪んだそうだが、おそらくその時のトラウマが、他人を思うままに操る能力は発現させたのでろう。その一方で孤独を感じ自分を必要としてくれる人間を求めており、ワシズ様やチームのために戦う。ただ、アニメにはそれらの設定は出てこない。

 そして、戦闘が終了すると、狼神たちは素直にくるみにことを教えてくれる。

狼神「あれから探しまわったが、くるみを見つけられなかった。本当にすまねぇ」

 なんでお前らは戦っていたんだと思わずにはいられない。まあ狼神としては、リターンマッチといきたかったのだろう。また負けたけど。

武「いいよ。くるみは俺が助けるから」

 馴れ馴れしくファーストネームで呼ぶ狼神に対し、対抗心が出てきたのだろうか。中盤露骨にくるみのことを面倒臭がっていた武。しかし、くるみへの思いは確かにあった。だからこそ、ここまで助けに来たのだ。武・六ちゃん・くるみ、武・月光・くるみ、武・狼神・くるみ……くるみと武を中心した三角関係は、複雑に絡み合いながら、クライマックスへと突入していく。泣いても笑っても次が最後だ。そして、ラストレクイエムから告げられた衝撃の真実とは一体……。