寿司は無限

アニメとかについて書きます。寿司は無限などと言っている割にせいぜい30皿が限度です

2015年のアニメ映画ランキング

 久々の更新です。2015年はアニメ映画を見ようと思っていたのですが、シンドバット空とぶ姫と秘密の島、ラブライブの映画、プロジェクトイトーなどを見落としてしまったんは残念。特にシンドバットなどは「誰が見るかわからないアニメ映画」の頂点で、これを落としたのは痛い、と反省しています。あとサイボーグ009vsデビルマンも……。たまゆら境界の彼方アルペジオ、WUGなど、好きな作品の劇場版も劇場で見なかったので、今年はもっとアニメ映画を見たい。それにしても、こうして挙げてみると、全然見れてねえな……。

 とりあえずガラスの花と壊す世界は絶対見に行くぞ!あとセレクター、聲の形、この世界の片隅には楽しみにしています。そして忘れてならないのが、あの星を追う子ども新海誠の新作です。また星を追う子どもみたいな映画が見たいですね。

 

えー、それでは全然アニメ映画見てないなりに、去年のアニメ映画をランキング形式で発表していくゾ。

 

第10位 バケモノの子

 細田守映画の最高傑作だと思っています。細田映画の中でも一番普通のツッコミ所が多い普通のアニメ映画で楽しかった。異世界の楽しげな様子が楽しかった(何も言ってねえ)。うん、細田映画最楽だ。

 人間の心の闇が念動力のような現象を生じさせるなら、人間の持つ可能性は素晴らしいと思った。アレで(なぜか)クジラになったりできるなら、世界はメチャクチャだ。それともバケモノ世界の空気が人間の心の闇と反応して、超常の力を生むのか?

 

第9位 GAMBA ガンバと仲間たち

 普通……。何も言うことがないくらい普通……。仲間の一人が大して意味もなく死ぬのはどうなんだ。あとノロイがなんかオカマ系のキャラっぽくなってて草。

 

第8位 劇場版 ムーミン 南の海で楽しいバカンス

 本国フィンランドで制作されたムーミン映画。日本人の馴染み深いアニメとはちょっとテイストが異なる。舶来ちょっと芸術っぽいアニメ。いきなりムーミン一家が難破船のモノを漁り、海賊を出しぬいて財宝を手にする。そして、清貧なフィンランドの地を離れて、俗な欲望と金銭、虚栄心が渦巻くフランス・リヴィエラへと向かう。フランス人は資本主義の走狗かアーティスト気取りの貴族……いずれにせよ俗物っぽい奴らだということが伝わってくる。ムーミンが恋敵に放つ、「警告したはずだ!」というセリフが好き。

 

第7位 百日紅~Miss HOKUSAI~

 大爆死した原恵一最新作。そして、フランスで人気。今でもジャポニズムというはあるのだろうかと感じる。楽しかったのは、呪術的パート。魂が舞い踊り、地獄絵が現実にせり出す江戸の夜の闇を北斎が切る――

 葛飾北斎といえば、同時代人に鶴屋南北がいる。鶴屋南北といえば、戦慄怪奇ファイルコワすぎ!で東海道四谷怪談によって古の神召喚システムを作り上げた男だ。南北は幼少期をタタリ村で過ごし、呪術を修めた。葛飾北斎もまたタタリ村で呪術や怪異に立ち向かう術を学んでいたとしたら。

 時は文政8年(1825年)、北斎65歳の夏……かつて共に呪術を学んだ鶴屋南北が老境に入り、邪悪な呪術を完成させて、古の神を現世に呼びだそうと画策していた。ついに南北は「東海道四谷怪談」に邪神召喚システムを組み込み、上演を開始してしまう。江戸の人々の想念の集積を利用し、邪神が顕現しようとする。世界を混沌に還そうとする南北の野望を砕くために、北斎とお栄の最後の戦いが始まる――百日紅2!!!とかありそう

 

第6位 台風のノルダ

 評判は悪いみたいだけど俺はそこそこ好きだし、若い才能を応援したい。次世代の新海誠くらいにはなってほしい。ノルダが艦これの時雨みたいでエロくて可愛かったし、主人公の男の娘もエロくて可愛かった。クラスメイトの女子に腐女子風の子がいると思うんですけど、彼女は一番いいシーンを特等席でかぶりつきで見られなくて可哀想だなあと感じる。俺ガイルの海老名妃菜が八幡と葉山の交流を特等席でかぶりつきで見れないのと同じ。

 ラピュタごっことエヴァごっこを全力で楽しんでいるのが伝わってきてこちらも嬉しくなってしまう。意味もなく変な石持ってるのとか最高。飛行石と怪盗ドラパン謎の挑戦状みたいな首輪とゴチャゴチャして見にくいし。

 最大の問題はラピュタごっこなら、星を追う子どもを見れば……となってしまうところだろうか。

 

第5位 花とアリス殺人事件

 2015年一発目の誰が見るかわからないアニメ映画だった。思いがけない良作百合アニメ。ロトスコープのおかげでリアルな手触りと理想化が上手く決まっていてた。陸奥睦美のキャラ造形も面白かったし、もっと出して欲しかった。花とアリスが一時、心が通じ合えたかのような、美しい瞬間を切り出していたと思います。

 

第4位 UFO学園の秘密

 個人的な印象を述べると、神秘の法以上仏陀再誕以下といった具合。幸福映画としては、良くもなく悪くもなく、微妙。ただアンナとハルとナツミは可愛かった。ナツミが怪しい風貌の自称大学教授に、退行催眠をかけられて悶えるところが好き♡ナツミはココロが弱くて、悪の組織・天才塾に付け込まれるんですけど、俺が天才塾の者だったら、絶対仲良くなって恋に発展したい♡

 舞台となるナスカ学園はもろに那須にある幸福の科学学園で、その内部の様子が学園生活が伺いしれてよかった。共学の全寮制っていう舞台立てがもう素敵だと思います。はがないの実写映画(ロケ地が豊郷小)を見ると、けいおん聖地巡礼をした気になれるようなものです。

 他にも青春ラブコメパートのウザさも、幸福映画としては逆に新鮮で面白い。でも映画開始時点でカップルできてる必要あったのかしら。オタクキャラだけ浮いていて可哀想だった。でも裏設定ではクラスにはアイツを好きな女子が何人かいるらしい……。うーん……。まあゴチャゴチャ喧嘩した後に流れる謎のバントの曲は嗤えました。それに中盤のスピリチュアルパートで、本当の自分とは云々も、いかにも宗教映画を見ているという感じがして、幸福アニメの喜びがある。

 ただスピリチュアルパートを経ての、彼らの発心が明らかに唐突。映画を撮りたいとか、教育者になりたいとか、お前らそんなこと欠片もいってなかったでしょ。でも音楽の水澤有一が「宇宙時代がやってきた!UFO情報最新ファイル」のスタッフコメントで指摘していた通り、ハルの宗教の勉強をしたいという目覚めはキュートだったし、声も可愛い。アンナもクソダサ英字プリントTシャツ(BearとかRose)着てて、逆によかった。けいおんの唯みたい。

 ライトサイド宇宙人の頭目がメーテルにしか見えないんだけど、上記のUFO情報最新ファイルでも、大川先生が「メーテル型の宇宙人」などと発言していた。やっぱり松本零士スペースオペラなんすねぇ……。でも松本零士だけじゃなくて、永井豪も入ってるんだよなぁ……。デビルマン化するし。

 

第3位 劇場版ガールズアンドパンツァー

 流行にのれなくてめっちゃスネていたけど、まあまあ面白かった。ついでに楽しいムーミン一家ムーミン谷の彗星を見てそれも面白い映画だった。変なジジイが「It's catastrophe!!!!!」などと叫び出したり。世界の破滅を告げられたムーミンとミイ、スニフが真実を確かめるために、旅立つ。その旅路の中でスナフキンやフローレンなど後のレギュラーキャラと出会う、いわばムーミンZero的な内容だ。ボス戦が三回くらいあるし、RPGっぽい話運びで、RPGツクール2000とかでムーミンRPGとかあったらメッチャやりたい!ムーミンが主人公で、スニフが商人、ミイが盗賊、スナフキンが吟遊詩人、フローレンが僧侶系キャラって感じで。多分大ダコ戦前のイベントで守り刀を入手しないとスニフにはまともな武器がなさそう。あとアンゴスツーラ戦で手に入るスナフキンのナイフはパパスのつるぎ的なポジションだと思う。

 巨大彗星が地球に接近し、海は干上がり空は禍々しい色に染まり、しっかりと世界の終焉を感じることができる。終わりの中で、ムーミンたちはそれぞれの生を生きる(何にも言ってねえ)。世界の終わりよりも切手なヘムレンさんや、日常的な思考を持ち続けるムーミン・ママが面白かった。ソ・ラ・ノ・ヲ・トみたいな世界の終わるけれども、そこで人間たち(ムーミンは人間じゃないけど)どう生きるか、そんなアニメ。

 彗星の重力の影響に依る(多分)規格外引き潮が終わり、海が還ってくる。ムーミンたちが海を迎えるシーンは感動的だった。エンディング・テーマは「この宇宙(そら)に伝えたい」……ロボットアニメっぽい。

 終焉後世界といえば、ガルパンの世界も人類は衰退し、永い黄昏を生きている説がある。ムーミン谷の彗星のように、何らかのカタストロフがあり、人類は空母様の都市を建造し、多くはそこに逃れて、陸地には僅かな港町が残れされているというのである。内陸部の都市や施設の多くは廃墟と化し、そこでは武道に形を変えて、旧世界の戦争の残滓が躍動している。大洗女子が廃校の憂き目に遭うのも、人類が力を失って空母都市すらも必要でなくなりつつあるからなのかもしれない。

 西住殿の部屋にあった不気味なクマのぬいぐるみに言い訳的な設定が付け加えられたのがおかしかった。ボコの存在はハッキリ言って異常だ。あのアイテム一つで、西住殿にただならぬ感じが加わるのですごく好き。イコライザー序盤のマッコールさんの暮らしみたい。マッコールさんも西住殿も、最高級の力(殺人or戦車道)を持ちながら、一見穏やかな暮らしを求めているところが似ている。彼らは殺人(戦車道)にしか生きる意味を見出せないのが、物悲しい。まあ戦車道は武道だし、別には悲しくはないのか。

 

 第2位 心が叫びたがってるんだ

 M3の岡田麿里アイドルマスターゼノグラシア長井龍雪がタッグを組んだッ!まあ俺がそんなに多くを語らなくてもいいでしょうが、後半のセリフ回しがロボットアニメっぽくて楽しかった。

「成瀬順ッ!」「坂上拓実ッ!」

「これから、傷つけるから!(ギュイーン!)」

「このうそつき者!(ピシュン!)思わせぶりなことばっかりいって!(ピシュン!!ピシュン!!)」

「あったりまえだろ!もう戦闘(げき)は始まってるんだぜ!」

 あとはこういう青春モノではモブキャラの扱い方がブッチギリで超越してよかったと思います。この辺のバランスがいいと、ほんッッッッッとうに見やすい!見やすくて見やすくて、ストーリーも映像もするする入ってくる。完璧と言っていいかどうかはわかりませんが、俺の狭い見識の中では、現状No.1ではないかと思います。2015年モブ使い上手かったで賞を授与したいです。ライムスター宇多丸のレビューも、ここの部分だけはは同意見。

 

第1位 劇場版デート・ア・ライブ 万由里ジャッジメント

 デート・ア・ライブ、最高ーーーー!既存の精霊全員のデートシーンがよかった。楽しいデートを見せてくれて、監督以下スタッフのみなさんには感謝しかない。今回の映画のオリキャラ、万由里は精霊達の霊力から生まれた彼女らのイデアシスタープリンセス一期の黄色い帽子の少女のような存在で(わかりにくい)、生命の樹(セフィラ)に近づく者を監視する神の装置。万由里は、この世界を認識してから士道のことを愛していたのであった。今際の際の「生まれた時から愛していた」というセリフが好きだ。

 万由里は生命の木に近づく者を監視する神の装置、と言ったが、神はケルビムと炎の剣に生命の樹を護らせたそうだ。ここでいう生命の樹とは、セフィラの樹に対応する精霊達の力のことだ。アダムとイブが知恵の実を得て善悪を知るものとなり、楽園を追放された。一方の生命の実には永遠の生命を与える力があり、それを得た「じゅすへる」の一族は地の底に封じられた……というようなことを稗田礼二郎が言っていたので、妖怪ハンターの「生命の木」を読むか、映画「奇談」を見ましょう。生命の実だけを食べた一族は知能が低いらしいが、十香のINT値がブッチギリで超越して低い32なのとは関係ない(と思う)。

 今回の劇場版は針に穴を通すような事業だったと思う。まずは精霊全員とのデートをやらなくてはならず、新キャラを出して、戦闘もやらねばならない。そして、それは当然ファンを満足させるものでなければ……。本編で八舞姉妹、美九はデートらしいデートをしていない。ストーリー的な都合があり、初期のコンセプト通りにはいかないのは仕方ないが、それでは寂しい。デート成分の補完としては、短編集があるが、アニメでもしっかりと見せてくれるのは嬉しかった。というかデートは全員よかった。精霊たち一人ひとりに向き合ったいいデートだっと思う。

 その楽しいデートを見つめる影、万由里。万由里は士道たちを見つめながら、その行動をトレースしていく。一人きりで、世界に満ちる喜びを、少しずつ集めていく。万由里が観測することをやめようとする時、平穏が崩壊するのが悲しい。でも、Jホラーの幽霊みたいな出方する時があってちょっと怖い。

 戦闘も意外と長尺で全員戦うし、十香のアルティメット化などの劇場版的なスペシャル感があってよかったと思う。90分のファン向け劇場版として、これ以上望むべきではないだろう。劇場版デート・ア・ライブ万由里ジャッジメントは厳しい要件に挑み、高い水準でこれ満たしている。この達成を偉大と言わずしてなんと言おうか!