寿司は無限

アニメとかについて書きます。寿司は無限などと言っている割にせいぜい30皿が限度です

魔法戦争全話レビュー 第九話『崩壊への序曲』

第九話『崩壊への序曲』

脚本:石野敦夫 演出:八田洋介 絵コンテ:坂本一也 作画監督:王國年・高田晴仁・前田義宏

f:id:camekoro:20150306013402j:plain

f:id:camekoro:20150306013436j:plain

(よく見るとそんなでもないかも)

 あの和室でついにラストレクイエムが目覚める。周囲にはトレイラーの幹部が正座して取り囲んでおり、おくりびとっぽい。時代が変わろうと、ウィザードブレスが生き残っているなら、やることは一つだ。第二次魔法大戦の火蓋が切られた。すばる魔法学院で大規模な戦闘が行われる。学院に潜伏していたエンシェント・ペンドラゴン(=トレイラー)の者達が一斉に蜂起したのだ。反乱軍にはあのすばる魔法学院写真部の姿もあった。マッシュルームカットの生徒が彼らにやられるのが悲しい。これも戦争が生んだ悲劇だ。

f:id:camekoro:20150306014144j:plain

f:id:camekoro:20150306014157j:plain

 ちなみにすばる魔法学院写真部は地獄クラスにいるのが確認できる。エンシェント・ペンドラゴンの役に立てるのか不安である。彼らもまた人間。本当はくるみの写真を眺めて暮らしたかったに違いない。

 さて魔法学院の責任者である桃花の戦闘も見られる。無敵のスリーマンセルをドヤ顔で倒す桃花。しかし、ここでヴァイオレット先生が登場する。ワシズ様との戦いでは残念ながら、勝ったとは言えなかったは、今度はどうか……あっさりやられてしまう。名有りに勝てないパワーバランスが悲しい。一方武たちも戦乱に巻き込まれる。まずどさくさに紛れて二葉がウィザードブレスの特魔機関に拉致される。彼女の資質に目をつけたのだ。ラストレクイエムの悲劇が繰り返されるのか。ちなみに二葉はその後も一切出てこない。

 武は月光に襲われていた。武への恨みをむき出しにする月光。その能力、エンジェルハントは瞬間移動。事故で傷んだ足を補うかのような能力である。魔法戦争の“魔法”はその他の魔法アニメのそれよりも、超能力に近い。一人一能力で戦うバトルは、どちらかと言うとジョジョのスタンドバトルのようでもある。月光の能力は本人の願望の反映といえ、この点も超能力バトルのようである。能力から本人の性格やコンプレックスなどがにじみ出てくるのが趣深い。

 月光の魔法の練度は武より数段高く、ボロ負けする武。絶体絶命、月光によりトワイライトごと拉致されそうになるが、ここでくるみが駆けつけ、武にキスをする。くるみの魔法が成長し、武に身を変えたのだ。くるみは狼神に心揺れる時はあっても、ずっと武との恋愛のことしか考えてこなった。たとえ世界が争いに満ち崩壊していったとしても、くるみの心は変わらないのだ。この血で血を洗う陰惨な闘争の中で、くるみの愛が美しく胸を打つ。こうしてくるみはゴーストトレイラーの手に落ちる。武はくるみを取り戻し、月光との決着をつけることができるのだろうか。