寿司は無限

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魔法戦争全話レビュー 第五話『魔法試験と冬休み』

第五話『魔法試験と冬休み』

脚本:ふでやすかずゆき 演出:政木伸一 絵コンテ:伊藤達文 作画監督:青木まさのり・鈴木奈都

 

武「11月、幻術魔法により校庭に出現した不思議な建物。ここで系統魔法一斉試験が行われる」

 武のモノローグでバンバン時間が飛ぶので、逆に時間の経過は感じられない。第1話では夏だったが、もう秋も終わりに近づいている。この試験で実力を示せば、十救出作戦への参加を許されるというから、絶対に落とせない。

 各階で魔法試験が行われる。回避魔法の試験は妨害を突破して目的地を目指すというものだが、障害として出てくるのは多脚戦車風ロボやサイだ。生物魔法は迷路で、くるみの言うとおり、魔法と何の関係があるのか不明だ。

 と、ここでヴァイオレット先生の横槍が入る。試験会場が崩落し、全員が一階に落とされた上に、魔物が試験会場を襲ったのだ!敵に襲われ窮地に陥ったくるみを救ったのは、記憶を改竄された狼神であった。敵も味方も記憶操作が大好きらしい。トワイライトによる合体魔法でゴーレムを撃退する武たち。

 Bパートではもう正月になっている。激流のごとき進度。帰省のことで武を言い争いになり、飛び出すくるみ。伊田が「夫婦げんかは犬も食わない」などと余計なことを言うものだから、六ちゃんもショックを受けてしまった!可哀想に。このBパートは魔法戦争全体の中でも白眉というべきシーンの連続だ。

 魔法の練習中、突如、「つめたくてきもちいよー」などとブルマ姿のまま闘技場に寝転がる六ちゃん。その顔は赤らんでいた。

六「そんなこといわないでー……はにゃ」

 困惑する武に抱きつく六ちゃん。そう、熱を出しているのだ。この時点で意味がよくわからない。酒に酔ったかのような反応で、熱というのはそういうことではない気がする。武は慌てて六ちゃんを部屋まで運ぶが、騒動は一層の混迷を見せる。六ちゃんはいきなり笑い出し、武をベッドに招き寄せた!

六「兄さん手はここ、なでなでして」

 どうも酩酊した彼女は十と勘違いしているらしい。いつもこんなことしているのだろうか。

六「あ!ブラ外すの忘れてた。ぽーい!これでよかよか~」

 とにかくベッドの中でもぞもぞする二人。一見、唐突に何の脈絡もなくねじ込まれるエロパートに見える。だが魔法戦争の本筋は武・くるみ・六の恋愛である。話を進めているのだ。大きな音がして振り向くと、そこにくるみがいた。手にしていたおせちを床にばらまいて、くるみが立ち尽くしていた。

くるみ「でてけーーー!!!!(絶叫)」

 武は情けなく言い訳して、情けなく逃亡した。これでくるみの怒りが収まるわけはない。

くるみ「悪かったわね……帰って来ちゃって……」

 抑揚のない声で淡々しゃべっているのが恐ろしい。

六「ううん……嬉しい……早く帰ってきてくれて」

くるみ「嬉しい……ですって……?この泥棒猫!あんたも出て行きなさい!!」

 六を追い出したくるみは、大泣きして、無意識の内に魔法を発動して幼児化してしまう。六ちゃんは武を呼ぶが、あろうことかここで自分には関係ないと無視を決め込むのだ。フェイクのことを六ちゃんにばらして、こんなことはもう止めたいと疲れた顔を言うのだった。本気でくるみのことを面倒だと思っているのだろう。その気持ちもわからなくはない。

武「俺達は冬休みをぎこちないままに過ごした……」

 モノローグですべて終了。激化するくるみ・六・武の三角関係。そこに新機軸が加わる。あの狼神である。Aパートでくるみを助けて男を上げた狼神が、さらに魔法戦争の恋愛を引っ掻き回すのか?(さほどでもない)

 図書室に狼神がいるのを見つけたくるみは魔法試験の一件のお礼を言う。くるみの失意を感じた狼神、ここで彼女のアゴをクイッとやって涙を拭う。一瞬何も言えなくなる。

くるみ「ばっ……ばっかじゃないの!」

 図書室を飛び出してきたくるみは、偶然そこを歩いていた武にぶつかってしまう。武は、くるみに何も言うことができない。恋愛のごたごたの予感をはらみながら、物語は何事もなかったかのように、十奪還へ進む。

 魔法戦争の恋愛は楽しさゼロ、面倒くささ100。単なるハーレムや俺TUEEEEモノに飽きた人も、魔法戦争なら楽しめるはずだ