寿司は無限

アニメとかについて書きます。寿司は無限などと言っている割にせいぜい30皿が限度です

魔法戦争全話レビュー 第二話『もうひとつの世界』

第二話『もうひとつの世界』

脚本:ふでやすかずゆき 演出:箕ノ口克己 絵コンテ:田所 修 作画監督:季ジェミン

 

 第二話はいわゆる説明会だ。しかしここでも魔法戦争は飛ばしてくる。といっても、とくに話は進まない。四条桃花に諸々の説明を受けて購買で魔剣をもらうだけだ。この“説明”が面白いのである。5分で考えたような系統魔法の説明をさらりとこなす。この魔法戦争の魔法体系はシンプルだが奥が深い。詳細は魔法戦争作者スズキヒサシ先生の個人サイト(http://www.eonet.ne.jp/~ogdoas/top.html)に掲載されているので、要チェクだ。

 そして話は第一次魔法大戦に移る。

 

 桃花「ゴーストトレイラーのリーダー、龍泉寺和馬はすべての人間を消し去ろうとしてラストレクイエムを使ったのです」

 回想の和馬「ラスト……レクイエム!!!!」

 

 この時点でもう面白い。ただの説明回で笑えるとは、やはり魔法戦争は素晴らしい。魔法学院に入るか魔法を失うか選択を迫られ、魔法学院入学をあっさり決意する。武はそもそも家庭から逃れたかったので、渡りに船だったのだろう。ちなみにアニメでは説明がないが、魔法はギフトでしか失うことができず、事実上入学しかないのだ。

 授業中、アスペクトがないことに気づいた武は、売店に買いに行く。案内するように言われた六ちゃんがナチュラルに武の腕をつかんで引っ張っていく。それをにらむくるみ。六ちゃんが行う、このような無自覚なくるみへのあてつけ。イノセントな悪意にくるみが苛まれ続けていく。

 

「私とアーサーは初等科の六年の頃からの付き合い……」などと、ものすごいドヤ顔で自慢気に銃を取り出す六ちゃんが可愛かった。アーサーってなんだよ。ここで魔法貴族についての説明がある。魔法貴族とは家族によって魔法が発現した者を指す。貴族ってそういうことじゃない気もするが、この開明的な世界こそ魔法戦争。安易な血族主義には堕さないという志が感じられる。ちなみにこの魔法貴族の設定が出てくる意味はあまりなかった。

 売店の加藤さんに名前をたかしと間違えられた武は魔剣トワイライトをもらえた。前の持ち主が女性で……などといろいろ言っているが、要するに武の母のお下がりということだ。母の魔剣を売店で買った武の明日はどっちだ・

 ここで敵パート。ウィザードブレスの魔法使いを皆殺しにしたヴァイオレット先生。ローブをかぶっていたが、こんなもので美貌を隠すことはできないらしい。ワシズ様も乗るリムジンに乗り込み、軽口を叩く二人。

ワシズ様「はいはい、じゃあお城に戻りますよ。眠り王子が待っていますからね」

 すると、魔法陣に包まれた車は消え去った。車に乗る意味とは。また実はお城というのは単なる比喩である。ラストレクイエム和馬が眠る場所、そこに魔法戦争の真骨頂があるのだが、それはまた次の機会に語ろうと思う。